« 全校集会はサプライズ! | トップページ | 3日3晩のお祭りさわぎ(第1夜) »

卒業式と最終日

今年度が終わる一日前、6月19日には4年生のための卒業式が行われました。
といっても、こっちでは「Gottesdienst zum Abschied der Vierklaessler(4年生送別のミサ)」と言って、教会でのミサが卒業式がわりになります。

ハリネズミクラスには4年生がいないので、私は本来なら出席しなくていいのですが、ドイツの卒業式、しかも教会で、というのにとても興味があったので、特別に出席させてもらいました。

会場は学校の近くにある教会(といってもちっちゃい講堂みたいな所)です。
そこに4年生全員と、4年生に関わりのある先生方、そしてほんの数人の保護者が出席して、式が行われました。

ミュンスターは本来カトリックの地域ですが、うちの学校は人種のるつぼ。子どもたちの宗教はさまざまです。

給食に豚肉が入っている日は、ムスリムの子のために別メニューが用意されますし、日本の「道徳」のようにドイツでは「宗教」が必修科目なのですが、ここでも「他者への思いやり」や「自分」など、信仰を超えたテーマを扱っています。

なので、卒業式を教会でやるというのはちょっと意外でした。
他の宗教の子たちはどうするのかしらと…。

いやー、見事でしたね。
普通のミサのように要所要所に歌が入るのですが、ギター伴奏で全部宗教色のない歌。締めくくりはアフリカの歌でした。

お祈りの時には、まずカトリックの神父さん、次にプロテスタントの牧師さん、最後にイスラム教の聖職者が出て来て、それぞれちょっとしたお話と儀式を行います。子どもたちは自分の信仰に合うものだけに参加します。
私は初めて生でイスラム教のミサ(と言うのかな?)を見たんですが、声を張った独特の歌声、鳥肌が立ちましたね。いい経験でした。

そして、さらに私にとって鳥肌の立つことが…。
途中子どもたちが朗読を披露する場面があったのですが、それがなんとミヒャエル・エンデの「モモ」の一節、道路掃除夫ベッポのくだりだったのです!

のんびりやの道路掃除夫ペッポは友達のモモに言います。「仕事の時、わしは常に次の1歩のことしか考えないんだ。1歩進んで1息ついて1回掃く、また1歩進んで1息ついて1回掃く、という具合にね。そうすりゃどんなに長くて辛そうに見える道でもいつの間にか掃き終わっているもんだよ」
(正確な文章は忘れましたがこんな内容でした…)

この「一歩一歩(Schritt fuer Schritt)」というのが今回の卒業式のテーマなのです。
さすが、ドイツ! 卒業式で「モモ」をテーマにするなんて!
と、一人でかなり興奮してしまいました。

最後は卒業証書ではなく、運動会のマラソンに対する
ユニセフからお礼状を受け取って、1時間ほどで式は終了。
送辞も答辞も来賓の挨拶もない、うちの学校らしい気取らない卒業式でした。

P1070200 会場となった教会。







P1070201 真ん中の通路には、卒業生一人一人が作ったそれぞれの「一歩」が並べてあります。





P1070203 子どもたちは前に出て「ベッポ」の朗読をしたり、「自分の次の一歩(進路)」を発表したり。





P1070205 最後は校長先生から「幸運の石」をもらって退場です。






P1070198 卒業式のパンフレットと「ベッポ」の朗読原稿。原稿は学校へ帰る道すがらに出会った女の子にもらっちゃいました。宗教の授業教材のコピーだそうです。




翌日20日は今年度最終日。
クラスは4年間ずっと持ち上がりなのですが、この日で学校を去る先生や実習生も多いので、朝からお別れムードです。

ハリネズミクラスの先生も一人、夏休み明けに別の学校に行ってしまうので、3時間目はお別れ会でした。
子どもたちから先生へ、先生から子どもたちへ、プレゼントを贈り合い、別れを惜しみました。泣いちゃう子も多かったです。

P1070207 先生から子どもたちへのプレゼント、手作りのハリネズミカップル。






P1070206 私も前日にちょっとしたお別れプレゼントを用意しました。
 先生にはこのキスしてるツルの親子の色紙を、親しくなった子どもたちには羽の動く折り鶴を。



この日の授業は3時間目まで。
終了式はなく、校長先生が放送で「これで今年度は終わりです。みんな夏休み明けにも元気な顔を見せてね!」と言うだけです。
夏休みの宿題もナシ。

「みんな元気でねー」と子どもたちを送り出した後、先生たちは職員室に集合。
実習生たちが用意したケーキやお菓子、冷蔵庫の中に残っていた物なんかを並べて、ちょっとした打ち上げ&お別れ会です。
まだ後片付けやら新年度の準備やらが残ってるけど、ひとまず終わったねーと、みんなでわいわいおしゃべり。

こんなふうにしてドイツの小学校は夏休みを迎えるのでした。

|

« 全校集会はサプライズ! | トップページ | 3日3晩のお祭りさわぎ(第1夜) »

コメント

うちら、劇団とっとてるりの参加するのは
「こども演劇祭」なので、
今、児童劇というか、こどもと演劇についてというかを、
会議とかでもよく話すのですが、
ちえぞうのブログはすごくすごく
ためになります。

自分の子育てにも。
いつも素敵なレポートありがとう☆

鶴をもらった子供達の反応はいかに?

>ちえぞうです。「素敵なレポート」と言ってもらえて嬉しいよー。これからも頑張りまっす。さて、鶴をもらった子は大喜び!そしてそれを見た他の子たちから即座に「ワシもワシも!くれくれ!」攻撃でした。「卒業生だけよー」と言うと、見た事もない子が「僕、4年生です。ちょうだい」とやってきたり…。半分パニック状態になってしまい自分のプレゼントしたい子にあげるというのが結構難しかったです。でも喜んでくれたというのはとても嬉しいことでした。

投稿: 実生 | 2007年6月28日 (木) 00時04分

各宗教に共通する部分こそが、人として一番大事な部分なのかもしれませんね。
複数の宗教が同時参加する場に、私も参加して見たかったです。
中学/高校のときに言われていたのが「man for others になりなさい」だったのを思い出しました。(少し反省)

投稿: coke | 2007年6月28日 (木) 02時27分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 全校集会はサプライズ! | トップページ | 3日3晩のお祭りさわぎ(第1夜) »