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杉山亮さんが面白い

杉山亮さんという児童文学作家をご存知でしょうか。

何を隠そう私自身、去年学校司書をするまでは、
「あ〜、なんかそんな新しい作家がいたなー。名前は聞いたことあるわ〜」
という程度でした。

ところが、小学校で子どもたちの貸し出しを見ていると、なんと杉山さんの本の人気あること!!
しかも小学校低学年から高学年まで、支持層の厚いこと!!

特にこの2つのシリーズは、人気絶大でした。

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ゾロリを読破した子は杉山本、という道筋が完璧にできあがっていて、
こりゃ、杉山亮という作家はあなどれないぞ、と思っていたところ、先日、こんなチラシを発見。

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彼の魅力を解明する絶好のチャンス!













ということで、30日、東浦和図書館に行ってまいりました。

杉山さん、面白かったです!
まず、プロフィールからして変わってる。
当時日本にほとんどいなかった保父さんとして、1976年から7年間、保育園に勤務。
その後、おもちゃ作家に転身して、埼玉県の長瀞(こないだ私が川下りしたところ)にお店をかまえる。
それにも飽きてきて、1991年児童文学作家デビュー。

予想以上に、引き出しいっぱい!の方でした。
そりゃ、子どものこと分かってるはずだわ〜。

最近ではストーリーテリングにはまってらっしゃるということで、とっておきのおはなしを2つ、語ってくださいました。
会場は爆笑の渦。
いやあ、参りました!

講演全体を通して笑いが絶えなかったのですが、ひょうひょうと軽快に語られる中にも、底に流れる信念や教養、子どもや子ども文化に対する熱い思いが見え隠れする、とてもいい講演でした。

中でも、

「本」はハードで、「物語」はソフトです。
物語の楽しさを知っている人は、苦労してでも活字を追うようになる。
逆に楽しさを知らない人にとって本は、冷たい活字が並ぶだけの物で、「本を読みなさい」は苦痛でしかない。
だから、子ども達にはまず、物語の楽しさを伝えたい。
直接語って聞かせることによって、物語の楽しさを共有し、その物語を気に入った子には、「このお話、この本に載ってるよ!」と、すかさずセールストークをする。この地道な作業しか、道はないのです。

というお話が、とても印象的でした。

すっかり杉山さんに魅了されてしまったので、会場に展示されていた膨大な著作の中から、児童書以外の2冊を借りてみました。

_ 1冊目。
『子どものことを子どもにきく』
2000年 新潮社







杉山さんが息子のたかし君に、
3歳から10歳になるまで、年に1回のペースで本格インタビューをしてみた記録。

…おもしろかった!
例えば、

「たかし 考えごとはね、神様に教えてもらってんの。
 あきら なんだ、そりゃ。(わけ、わからん。)
      神様になに教わってんの?
 たかし ん、体操だよ。」
(<三歳の隆さん>神を語る より)

3歳の子が「考えごと」って言うだけでおもしろいのに、体操て!
最後には、だれでもできる我が子インタビューのススメが書いてあります。
軽く読めるし、けっこう考えさせられる。
おすすめです〜。

__22冊目。
『のどかで懐かしい『少年倶楽部』の笑い話』
2004年 講談社







こんなこともやってるのか、杉山さん!
という感じですが、これがまた絶品でした。
旦那と2人ではまってしまいました。

雑誌『少年倶楽部』に掲載された、読者投稿の小話を集めたものなんですが、絵の古めかしさと、旧書体のいかめしさも手伝って、おかしさ満点。

「題:なるほど理屈

 甲 『君!穴を掘ってるね』
 乙 『うんにゃ、土を掘って、穴を拵(こしら)へてるのさ』」
(昭和五年八月号)

…「なるほど理屈」て!


「題:どうしよう

 五つになった弟が、
 『兄ちゃん、いくつ。』
 兄 『七つさ。』
 弟 『兄ちゃん待っててね。もう二つで坊やも七つになるんだから。』」
(昭和九年二月号)

…タイトルが素晴らしい。兄の心の声です。

ぱらぱらと見て、拾い読みするだけでも、かなり面白がれますよ。
ぜひどうぞ!


って、すっかり杉山さんの宣伝になってしまいましたが、
もし講演会の講師をお探しの方がいたら、杉山さん、かなりおすすめですよ〜。




 

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コメント

お元気そうで何より!
お久しぶりです。
釜ちゃんのお友達です、といえば、おわかりかな?
杉山さん、うちの子も私も大好きだったので、思わずコメントしました。
用寛さんシリーズが好きでしたわ。
おもちゃばこフォーラムというイベント(きっずいわき ぱふ の主催)に親子泊りがけで参加した時に、お見かけしました。
今もやってるのかなあ…
ストーリーテリングのタイトル、判れば教えて下さい。
パソコン変わって私のメルアド設定まだなんで、また改めて…では!

投稿: たか | 2010年6月 7日 (月) 12時07分

はい、おわかりで〜すhappy01
ありがとうございます!
おもちゃばこフォーラム、まだやってるようですよ。
杉山さんのサイト↓
http://www.h6.dion.ne.jp/~sugiyama/
ストーリーテリング、一つ目は、
「二階の変な客」
(杉山亮『バナ天パーティー 杉山亮のとっておきものがたり』より)
でした。鶴の恩返しの羊版パロディー。
もともと、杉山さんが毎年自宅で開催している「ものがたりライブ」で語っていたものを、読み物化したものなので、実際語られたのは、もっともっとくだけた調子でしたけどね。
二つ目は、出典がわからないのですが、これもたぶん、杉山さんが作ったお話で、「60歳の貧しい夫婦が妖精に一つだけ願いを叶えてもらえることになって、旦那の方が『自分より30歳若い嫁が欲しい』と言ったら、そのとたん旦那が90歳になった」という、ザマアミロなお話でした(笑)

投稿: ちえぞう | 2010年6月 8日 (火) 11時01分

めっちゃオモロイ!
ありがとうございました。
調べてみます。

投稿: たか | 2010年6月11日 (金) 23時20分

友だちが
ぼくのこと書いてくれてる
ブログがあったよと
ここのことを教えてくれました。
東浦和図書館に来てくれたのですね。
どうもありがとうございます。
おもちゃばこフォーラムは
今も続いています。
今月京都、来月名古屋で
東京はたぶん来年の一月になります。
よかったらぜひ、おでかけください。
それとあのときやったふたつめの話。
60歳になった夫婦の話は
アメリカンジョークのひとつです。
昔、アメリカの小話の本で見たのを
アレンジしました。
いつかどこかでお会いしましょう。

投稿: 杉山亮 | 2010年6月17日 (木) 10時09分

きゃ!
まさか、杉山さんご本人からコメントをいただけるとは、思ってもみませんでした!
こんなことになるとは思わず、かなりお気楽な調子で書いていたので、お恥ずかしいかぎりです…sweat01
正確な情報を、ありがとうございました。
東京のおもちゃばこフォーラム、ぜひ伺いたいです。
お会いできる日を、楽しみにしています!

投稿: ちえぞう | 2010年6月17日 (木) 11時40分

こんにちは!

こちらにもコメント残しますね^^

杉山亮さんの「おもちゃばこフォーラム」今中学1年生になった次男がお腹にいるときに、上の子達3人連れて参加しました♪

忍者になって遊んだり、すごく楽しかった思い出です。その時は八ヶ岳でした^^

投稿: みどり | 2010年6月30日 (水) 16時28分

みどりさん、ありがとうございます!
そうですか〜。
私も早く、「おもちゃばこフォーラム」デビューしたいです(笑)
子ども同伴じゃないと楽しめないのかな?
八ヶ岳もぜひ一度行ってみたいです〜。
杉山さんの、ホラ話…もとい、物語ワールドにどっぷり浸ってみたい!

投稿: ちえぞう | 2010年7月 7日 (水) 21時34分

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