杉山亮さんが面白い その2

まあ、すっかりブログも久々になってしまいました。

昨年9月に仕事を始めてから、なんかもう怒濤の毎日でして…
という言い訳はこのへんにしまして。

昨日、杉山亮さんのトークセッションにいってまいりました。
以前東浦和図書館の講演会を聞きに行った感想をここに書いたら、
なんと杉山さんご本人からコメントをいただいてしまったという、
あの、杉山亮さんですよ。

あの時は「1月のおもちゃばこフォーラムに行くぞ!」と息まいておきながら、
結局行けず…(泣)。

でも、杉山さんの「物語」に対する考え方ってのが、
実は私には非常に共感できるものがあるんでして、
できればもっと知りたい、追いかけていきたい作家さんなのでして、

そんなわけで、久々にお話がきけるのをワクワク楽しみに行ってきたのです!

会場は、ジュンク堂書店池袋本店。
本店やって〜。
いいねえ、東京は!(田舎もんまるだし)
4階喫茶コーナーにて、定員40名のトークセッション。
お題は「被災地に絵本・児童書を送りながら考えたこと」

そう、杉山さんは、震災後、かなり早い時期に、
「被災地に本を送る窓口になります」宣言
をしてくださったのです。

正直「いま、送るべき物は本なのか?」という疑問は、
活動を立ち上げた段階から拭えなかった、という話、
いざ動き出してみての苦労話、
実際受け入れ先を探し、本を届けてみて感じた事…。

かなり赤裸々に正直に、話してくださいました。

特に「想像力」の話が印象的でした。
送られてくる本の中には、とても子ども達には渡せないような古い本、汚い本も多くあり、それは明らかに、送る側の「想像力」の欠如であるということ。
自分が送った本を、被災地の子どもたちが手にとってどのように楽しむか、ということが想像できる人とできない人。
それが送る本に如実に表れるということ。

これって、もちろん本だけの話じゃないんですよね。
いま目の前に見えている生活の、その背景に何があるのか、どんな過去があって今があるのか、未来はどうなっていくのか、自分のことでさえ想像することを怠ってきた
日本人が、ましてや被災地の人たちの今、そして未来を想像するなんて、恥ずかしながら、かなり高度なことになってしまってるんではないでしょうか。

意識しなければ。
と思いました。

杉山さんの今後。
11月の小淵沢ものがたりフェスティバル、
12月の新宿での「冬のものがたりライブ」
ぜひ行きたいと思ってます!
小淵沢ひとりで行けるかな(笑)

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ちひろ美術館・東京

「スーホの白い馬」や「くわずにょうぼう」を描いた赤羽末吉さんの生誕100年記念展覧会が、今週末までだったので、今日、行ってまいりました〜。

Nec_0429_3   会場は、
「ちひろ美術館・東京」。
西武新宿線の上井草から徒歩7分とのこと。
はじめて行くので、ドキドキわくわく…。












上井草のホームに降りたって、いきなりびっくり!
「ようこそ、アニメの町 上井草へ」という看板が…。
ホームに鳴り響く、ガンダムの主題歌。
そして、改札を出ると…、
Nec_0426_4    
いらっしゃいましたよ〜










いきなり動揺してしまったちえぞうですが、気をとりなおして、ちひろ美術館へ。
非常にのんびりした駅前商店街を抜け、汗をだらだら流しながら住宅地の中を進んで行き…、

Nec_0427 ちひろ美術館に到着!ゆったりした時間が流れる、とっても素敵な美術館。中にはカフェもありました。



Nec_0428 いわさきちひろさんゆかりのお庭もありました。
すてき!








そんなに大きな建物ではないのですが、展示室が4つもあり、そのうち2つが赤羽末吉展、のこり2つがいわさきちひろさんの企画展として使われていました。

…赤羽さんて、すごくバイタリティーのある方だったのですね。
サラリーマンをしながら絵を描き続け、50歳にして絵本画家デビュー、さらに舞台美術まで手がけてらっしゃったとは…。
しかも、日本画を習ったのは1年だけで、あとは全部独学だというから驚愕です。

ひととおり展示されている絵本を読みましたが、やはり「スーホ」に対する魂のこめ方は、ひとかたならぬものがあるな〜と感じましたね。
まっすぐの地平線と、乾いた空気を伝えたかった、という赤羽さんの思いが、バシバシ伝わってくる。

あと、個人的には、「つるにょうぼう」の、雪の中に羽が舞う画面が最高に美しいと感じました。

ちひろさんの展示の方も堪能して、結局閉館まで5時間くらい居座ってしまいました。

また足を伸ばしたい美術館です。

ちなみにちえぞう、この夏中国旅行することになったので、これを機に今日から、ずっと気になってた吉川英治「三国志」を読みはじめました。
展覧会前後に寄ったカフェでも、行き帰りのはげしく揺れる電車でも、ずっと読んでたので、う〜、なんだか気持ち悪い(笑)
まだ1巻の途中なので、劉さんたち、黄巾討伐に明け暮れてます。

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東京子ども図書館

先日、「東京子ども図書館」に行ってまいりました〜。
http://www.tcl.or.jp/

ここは、石井桃子さんのかつら文庫、松岡享子さんの松の実文庫、土屋滋子さんの土屋文庫が母体となって作られた、私設の図書館。

子どもの本関係者なら、鼻血モノの、このお名前。
しかも、「私設」ですよ、「私設」!
図書館なのにっ。

児童サービスの理想が、きっとここにある♪
と期待して、駅からちょっと
遠い不便なところではありましたが、のんびりてくてく、行ってまいりました。

住宅地を、「ん〜、こんなところにあるのかしら…」と思いながら歩いていると…、

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ありました!
レンガ造りのすてきな建物。








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ちょうど、3時からのおはなし会が始まるところだったので、見学できるかも〜なんて思っていたのですが、案の定

「子どものためのお話会なので、子どもだけです」

と言われてしまいました(泣)
こんな時ほど、子どもになりたいと思うことはありませんね。

「子どもたちがおはなしを聞きに行くところは見られますよ」
ということだったので、おはなしの部屋にわ〜っと集まってくる子どもたちを、外からながめていたのですが、

…あ、あれは。
部屋の入り口で、「おいでおいで〜」と、笑顔で子どもたちを迎えて入れているのは…、
見ているだけで、ほっとなごんで、自然に近くに寄っていきたくなる、とびきり優しい笑顔の、あの方は…。

松岡享子さんでした。

不躾ながら、心の中で、
「ナマや!ナマ松岡享子や!」
と叫んだちえぞうでした…(笑)

おはなし会が終わってから、スタッフの方にお願いして、お部屋の中を見せてもらいました。

P1190367 すてき〜。
冬にはストーブ、つくのかなあ?









さてこの図書館、はじめての人は、館内をガイドしてもらえるということなので、もちろんお願いしてみました。

まずは、地下の資料室から。
ここは、子どもの本に関わる大人のための資料室で、なんと貸し出しも可能。
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厳選された資料なので、書架を見てまわるだけでも、「あ、こういう本を読んでおけばいいんだな」
ってのがわかる、ありがたい空間でした。



この部屋の司書さんが、東京子ども図書館の成り立ちから、今ある機能まで、詳しく説明してくださったのですが、
いや〜、すごいですね。
私設で図書館を作ってしまおうという発想、そのための努力、知恵、勇気、そして、信念をつらぬく精神力。
この図書館を作り、運営してきた方々には、もう、とにかくとにかく脱帽です。

特にすてきだなと思ったエピソードをひとつ。

東京子ども図書館が開館した当初は、今の建物ではなく、マンションの一室のようなところで、こぢんまりと運営されていたそうです。
ある時、松岡享子さんが、ご自宅のそばでいい土地が売りにだされた!という情報を手に入れ、さっそくみんなで頑張って購入!
その土地には、もともと3人のおばあさんが住んでいて、土地を売ったあと、彼女らはアメリカに渡ったということ。
そうして13年前、この場所に、現在のレンガ作りの図書館がオープンした、という話です。

…3人のおばあさん。
…アメリカ。

こりゃもう「おはなし」ですよね。物語ですよね。
なんてこの図書館にぴったりなエピソードでしょう。

さて、資料室を存分に楽しんだ後は、1階の児童室へ。
ここでは、児童室担当のスタッフさんが説明をしてくださいました。
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なんとも居心地のいい空間。









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ここをくぐって、絵本の世界へ…。








ここはもう、純粋に、地元の子どもたちのための場所です。

しかし、贅沢〜。
こだわりぬかれたコレクションですもの。
そんなに大きな部屋ではないのですが、乳幼児から高校生までを対象としているというのが、驚きでした。

いいな〜、この近くに生まれ育ちたかったな〜、
と、本を楽しむ子どもたちの背中に、かなりジェラシー。

この図書館では他に、児童サービスを学ぶ人のための研修生制度や、奨学助成制度まであって、後進育成に特に力を入れておられるとのこと。

しかし、対象は基本、20代まで…(泣)

…はぁ〜、もっと若ければ、私だって…

と、切ない気持ちになってしまいました。

とはいえ、歳に関わらず参加できる講習会やおはなし会もあるので、いろいろ行ってみたいなと思います!

まだまだ勉強や!!

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杉山亮さんが面白い

杉山亮さんという児童文学作家をご存知でしょうか。

何を隠そう私自身、去年学校司書をするまでは、
「あ〜、なんかそんな新しい作家がいたなー。名前は聞いたことあるわ〜」
という程度でした。

ところが、小学校で子どもたちの貸し出しを見ていると、なんと杉山さんの本の人気あること!!
しかも小学校低学年から高学年まで、支持層の厚いこと!!

特にこの2つのシリーズは、人気絶大でした。

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ゾロリを読破した子は杉山本、という道筋が完璧にできあがっていて、
こりゃ、杉山亮という作家はあなどれないぞ、と思っていたところ、先日、こんなチラシを発見。

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彼の魅力を解明する絶好のチャンス!













ということで、30日、東浦和図書館に行ってまいりました。

杉山さん、面白かったです!
まず、プロフィールからして変わってる。
当時日本にほとんどいなかった保父さんとして、1976年から7年間、保育園に勤務。
その後、おもちゃ作家に転身して、埼玉県の長瀞(こないだ私が川下りしたところ)にお店をかまえる。
それにも飽きてきて、1991年児童文学作家デビュー。

予想以上に、引き出しいっぱい!の方でした。
そりゃ、子どものこと分かってるはずだわ〜。

最近ではストーリーテリングにはまってらっしゃるということで、とっておきのおはなしを2つ、語ってくださいました。
会場は爆笑の渦。
いやあ、参りました!

講演全体を通して笑いが絶えなかったのですが、ひょうひょうと軽快に語られる中にも、底に流れる信念や教養、子どもや子ども文化に対する熱い思いが見え隠れする、とてもいい講演でした。

中でも、

「本」はハードで、「物語」はソフトです。
物語の楽しさを知っている人は、苦労してでも活字を追うようになる。
逆に楽しさを知らない人にとって本は、冷たい活字が並ぶだけの物で、「本を読みなさい」は苦痛でしかない。
だから、子ども達にはまず、物語の楽しさを伝えたい。
直接語って聞かせることによって、物語の楽しさを共有し、その物語を気に入った子には、「このお話、この本に載ってるよ!」と、すかさずセールストークをする。この地道な作業しか、道はないのです。

というお話が、とても印象的でした。

すっかり杉山さんに魅了されてしまったので、会場に展示されていた膨大な著作の中から、児童書以外の2冊を借りてみました。

_ 1冊目。
『子どものことを子どもにきく』
2000年 新潮社







杉山さんが息子のたかし君に、
3歳から10歳になるまで、年に1回のペースで本格インタビューをしてみた記録。

…おもしろかった!
例えば、

「たかし 考えごとはね、神様に教えてもらってんの。
 あきら なんだ、そりゃ。(わけ、わからん。)
      神様になに教わってんの?
 たかし ん、体操だよ。」
(<三歳の隆さん>神を語る より)

3歳の子が「考えごと」って言うだけでおもしろいのに、体操て!
最後には、だれでもできる我が子インタビューのススメが書いてあります。
軽く読めるし、けっこう考えさせられる。
おすすめです〜。

__22冊目。
『のどかで懐かしい『少年倶楽部』の笑い話』
2004年 講談社







こんなこともやってるのか、杉山さん!
という感じですが、これがまた絶品でした。
旦那と2人ではまってしまいました。

雑誌『少年倶楽部』に掲載された、読者投稿の小話を集めたものなんですが、絵の古めかしさと、旧書体のいかめしさも手伝って、おかしさ満点。

「題:なるほど理屈

 甲 『君!穴を掘ってるね』
 乙 『うんにゃ、土を掘って、穴を拵(こしら)へてるのさ』」
(昭和五年八月号)

…「なるほど理屈」て!


「題:どうしよう

 五つになった弟が、
 『兄ちゃん、いくつ。』
 兄 『七つさ。』
 弟 『兄ちゃん待っててね。もう二つで坊やも七つになるんだから。』」
(昭和九年二月号)

…タイトルが素晴らしい。兄の心の声です。

ぱらぱらと見て、拾い読みするだけでも、かなり面白がれますよ。
ぜひどうぞ!


って、すっかり杉山さんの宣伝になってしまいましたが、
もし講演会の講師をお探しの方がいたら、杉山さん、かなりおすすめですよ〜。




 

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国際子ども図書館を考える全国連絡会

こちらに来て、出版社勤務時代にお世話になったいろんな方にも転居ハガキを出したのですが、その中の一人、作家の今村葦子先生から、うれしいお返事をいただきました。

上野に、「国際子ども図書館」という、とってもすてきな国立の子どもの本図書館があるのですが、その設立に尽力し、その後も見守り支援し続けている、「国際子ども図書館を考える全国連絡会」という団体があり、そこに今村先生も参加されていて、今度その総会と記念講演があるから来ないか、というお誘いでした。

なんかちょっとドキドキするけど、行ってみよう! ヒマやし!
ということで、5月27日、行ってまいりました。

会場は、牛込神楽坂にある、日本出版クラブ会館。
初めて行ったけど、なんかセレブで文化的な雰囲気…。
東京や〜、東京にきたんや〜て感じです。

神楽坂って町も、なんかすごいですね。
あの坂を上ってるだけで、お金持ちになったような気分になります(笑)

ほんとは、3時からの講演会だけと思っていたのですが、ちょっと早く着いてしまったので、総会の方も、のぞかせてもらうことにしました。
しかし、受付で会員の名前を見てビックリ。
名だたる作家さん、画家さん、出版社の名前ばかり!
児童書の本棚を見ているのかと思いました。

緊張しまくりましたが、話を聞いていると、学校図書館関係の方もけっこういらっしゃるみたいで、意外と場違いじゃないかも〜。
子どもと読書に関わる大人は、みんな同志ね! なんて、最後にはすっかり会員気分。

さて、3時からの講演会ですが、こちらは国際子ども図書館開館10周年記念、そして、今年の国民読書年協賛、ということで、例年より盛大に企画されたようです。
講師は、元鳥取県知事、現在は、仕分けで話題の行政刷新会議議員の、片山善博さんでした。

いや〜、おもしろいんですね、片山さん。
しかも、話はいちいちごもっとも!

政治のことと図書館のことを、両方ちゃんとわかっている人というのは、本当に希有な存在でして、こういう方が働いてくれて、やっと物事が動くんですよね。
ありがとうございます。本当に!

子どもの読書活動推進事業を、始まりから今まで、一番近くで見守ってきた方のお話は、非常に説得力がありました。

「道路をつくるより、学校に司書を置きましょう。
ちゃんとした図書館を作りましょう。お金がないなんて、言い訳にならないぞ!」

と、はっきり言い切れる片山さんのような知事が、日本中にもっといてくれたら…と、願うばかりです。

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